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クラウドのHPC環境で防災シミュレーション業務を拡大。1000パターン超の計算も効率的に処理

防災や環境分野をはじめとするさまざまな分野での解析事業を展開する応用技術では、防災向けのシミュレーションのニーズが増大したことから、従来のオンプレミスに用意していたコンピューティング環境では、計算処理が限界を迎えていた。そこでエクストリームーDが提供するHPCのクラウドサービス「Raplase」を導入することで、大規模な計算が可能な環境を構築。1000パターンにおよぶ高潮シミュレーションにも対応でき、同社の解析のスピードは顧客からの高評価を得ている。

  • Raplase Supercomputing Platform
  • シミュレーション
  • 製品開発支援
  • 建設土木
  • 事業規模 100〜500名
クラウドのHPC環境で防災シミュレーション業務を拡大。1000パターン超の計算も効率的に処理

課題と解決

導入前の課題

  • 東日本大震災を機に、防災シミュレーションのニーズが増大し、計算資源の拡大が必要に
  • シミュレーション環境としてオンプレミスにマシンを調達して運用しているために管理負荷が増大

導入後の効果

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HPCのマルチコア環境を生かして、膨大なパターンのシミュレーションを高速化

  • #シミュレーション
  • #高速処理
  • #機能カスタマイズ
アイコン

シミュレーション環境をクラウド化したことでオンプレミスのマシンのメンテナンスが不要に

  • #業務効率化
  • #スーパーコンピューティング
  • #高速処理

事例詳細

独自の解析アプリケーションで防災シミュレーションを手掛ける

まちづくりやものづくり、建築土木分野などを中心にさまざまなデジタルサービスを展開する応用技術。同社の手掛ける重要なサービスの1つが解析・シミュレーションだ。主に建設コンサルタントからの依頼のもと、防災政策を進める自治体向けに津波、河川氾濫、高潮などの防災関連のシミュレーションを手がけている。

応用技術にて同事業を手掛けるエンジニアリング本部 国土創生情報部の足立忠行氏は、「当社の強みは、解析・シミュレーションのアプリケーションを自社開発していることです。市販のパッケージ製品では自社の使い方に応じた改良が難しいのに対して、自社開発のものであれば新たな計算式を導入したり、新たな現象を取り扱ったりすることが容易にできます」と説明する。

東日本大震災を転機に、シミュレーションの計算量が増大

同社がこうしたシミュレーションの事業を手掛ける中、大きな転機となったのが東日本大震災の発生である。「震災が想定外の規模だったので、想定外をなくすという国の方針の下、津波、洪水、河川氾濫などについて、外力の規模についての条件を見直す流れになり、それによって行うべき防災シミュレーションも増大しました」と足立氏は振り返る。

従来は100年に1回の頻度で起こる災害を想定していたが、現在では東日本大震災により1000年に1回の頻度のものまで備えなければならなくなったのだ。「例えば河川氾濫の場合、長さ1キロメートルの河川の堤防が100メートル間隔で破壊されるシミュレーションをする場合、河川の左右に堤防があるので破壊箇所は20箇所になります。長さを10倍の10キロメートルにすると破壊箇所も10倍の200箇所になります」と足立氏は話す。

さらに、全国的に浸水想定区域図の空白地帯をなくすという国の方針の下、山間部の小さな河川なども解析の対象になった。日本全国の河川の数は非常に多く、河川を対象とした解析業務の増大は不可避だったのだ。

こうした中で同社が直面した課題が、解析・シミュレーションを行うための計算資源不足である。これまで応用技術では、アプリケーションを稼働させる環境としてパソコンやワークステーションを社内に設置して利用していた。しかし、「オンプレミスでの管理ではマシンのメンテナンスが必要であり、管理のために人件費もかかります。しかもマシンの台数増加に比例して、そうした費用は増加してしまいます」と足立氏は振り返る。

もっとも、オンプレミスでの管理が限界だと判断した同社は、クラウドの仮想サーバーを中心に利用する方針へと変更。しかし、「多くの仮想サーバーを手動でセッティングするなど、解析を行うための手間は依然として発生していました」と足立氏は当時の課題を明かす。

Raplaseで大規模な計算をクラウドで可能に

こうした課題を解消するために応用技術が導入したのが、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境をクラウドから利用できる「Raplase」である。

「Raplaseの導入前には、理化学研究所の産業利用専用スパコン『FOCUSスパコン』も試したのですが、連続的にジョブを投入したり計算結果を吸い上げたりするなどの使い方が難しく、自分たちで使いこなすには障壁がありました。一方で、Raplaseであれば、例えば100パターンほど条件を変えたシミュレーションも1度のジョブ投入操作だけで順次計算できるなど高い利便性を感じました」と足立氏は振り返る。

さらに足立氏は、エクストリームーDのサポート体制について、「利用するコンピュータの環境に合わせて自社の解析アプリケーションをどのように変更すればよいか、どのような設定を行えばよいのかという細かい部分の知識も含めて、エクストリームーDから多くの面でサポートを得られました」と評価する。

こうして応用技術では、シミュレーションを行うにあたり一度環境を構築すればあとはデータを投入して順次解析を行っていくだけという運用負荷の少ない業務体制を確立している。

240 CPUの並列計算による高速化と柔軟なリソース調整が可能に

こうして導入されたRaplaseは、先述した水害対策向けのシミュレーションにフル活用されている。その導入効果について、足立氏は計算能力の向上を第一に挙げる。

「今使用しているRaplaseのCPUは240コアあり、大規模な計算を並列分散できるようになったことでより多くの解析業務を短時間で処理できるようになりました。一般的なパソコンやワークステーションでこの規模を再現することは到底できないでしょう」と足立氏は語る。さらに、こうした計算資源はクラウドにあるため、オンプレミス環境でハードウェアを調達する手間やメンテナンスの負担がかからない点も利点だとしている。

もう1つの大きなメリットはリソースの柔軟な調整だ。解析業務は年度末が納期になることが多く、年末年始に計算負荷が集中する。同社は年間契約で一定量の計算リソースを利用する契約をベースとしているが、負荷が高まる時には一時的に追加で費用を支払い、計算リソースを増やす仕組みを採っている。「リソースの増減に柔軟性があるので、解析を行わない月に無駄な費用をかけずに済みます」と、足立氏はその柔軟な利用形態も評価している。

速度面での顧客からの評価も上々だ。「応用技術に依頼すると、解析のレスポンスが他社よりも速いという声もいただいています。この速さの源は計算資源の差だと感じていますし、仕事のリピート受注にもRaplaseが貢献していると感じています」と、足立氏はその手応えを語る。

河川氾濫から高潮シミュレーションまで利用範囲を拡大

足立氏の所属する水圏解析チームは当初、河川氾濫のシミュレーション用途でRaplaseを導入したが、現在では高潮のシミュレーションにも活用している。「河川氾濫では多くても100パターンですが、高潮の場合は多いと約1000パターンを計算しなければならないことがあります」と足立氏は語る。

「台風は右側の風が強くなり、その風向きと湾の向きが一致すると高潮の高く被害が大きくなります。台風の進路に応じて細かくシミュレーションを行うために計算のパターンが肥大化する傾向にあります」(足立氏)

こうして同社では、現在津波、河川氾濫、高潮の計算をしているが、これら以外にも同社が行っているシミュレーションの分野はある。足立氏は将来も見据え、「広範なシミュレーション対象のすべてをRaplaseで処理することができれば、まだ一部残っているオンプレミスのシミュレーション用のマシンを管理する必要がなくなり、メリットは大きいです」と語る。

エクストリームーDからは、先述した導入時の支援やRaplase上でプログラムを実行しやすくするランチャーアプリケーションを作成してもらうなどのサポートをもらっているが、「こうした効率化の提案を、エクストリームーDには今後も引き続きお願いしたいです」と期待を寄せている。

防災シミュレーションの重要性が高まる中、応用技術とエクストリームーDの協業は、社会インフラの安全性向上に貢献し続けている。

応用技術株式会社

1984年設立。製造業向けの設計支援、地図情報を活用したソリューションサービス、環境・防災分野を対象としたエンジニアリングサービスなど事業として展開。高い専門性と高度な数値解析技術、先端情報技術を駆使し、「課題を価値に変えるイノベーション・カンパニー」として顧客とともに成長し、社会課題の解決に貢献している。

応用技術株式会社
エンジニアリング本部
国土創生情報部

足立 忠行 氏

足立 忠行 氏
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