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製造業の製品開発を加速するシミュレーション高速化サービスの基盤にRaplaseを採用

組み込みシステム開発で40年以上の実績を持つエヌ・ディ・アール(NDR)は、自動車業界で培ったシミュレーション技術を武器に、2024年からシミュレーションやFPGA開発、AI開発を高速化するサービス「SimA」を本格的に提供開始している。この基盤に採用されているのがHPCのクラウドサービス「Raplase」だ。製品開発のシミュレーションに要する時間を短縮することで、日本の製造業の競争力向上に貢献する。

  • Raplase
  • シミュレーション
  • 製品開発支援
  • 情報システム
  • 事業規模 〜100名
製造業の製品開発を加速するシミュレーション高速化サービスの基盤にRaplaseを採用

課題と解決

導入前の課題

  • 制御システムの高精度なシミュレーションでは数日レベルの計算時間が必要
  • 制御システムのアルゴリズム検証では全パターンの実施に時間がかかるため網羅的な検証が困難

導入後の効果

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Raplaseを活用し、MATLAB/Simulinkのシミュレーションを13倍以上に高速化

  • #高速処理
  • #サービス開発支援
  • #AI
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Raplaseを基盤とした新サービス「SimA」で、顧客のニーズに応えるサービスラインアップを強化

  • #高速処理
  • #サービス開発支援
  • #製品開発支援

事例詳細

自動車分野の開発からCAEの事業を拡大

NDRは、1984年の設立以来、組み込み系のハードウェアおよびソフトウェア開発を手がけてきた。タイとインドに子会社を持ち、グローバル人材を活かしたサービスやオフショア開発を展開している。

「組み込みシステムは、かつては鉄道関係がメインでしたが、設備や半導体装置などの産業機器を製造しているメーカー向けにも事業を拡大してきました」と、同社CAEソリューション部 部長の金森好樹氏は語る。現在は自動車、医療機器、社会インフラなど、幅広い分野で組み込みシステム開発を手がけているという。

同社がシミュレーション技術に本格的に取り組み始めたのは、2015年のことだ。「当社では1999年頃から自動車向けの組み込み開発を手がけており、自動車向けの開発ではシミュレーションを頻繁に行っていたため、2015年にCAEソリューション部を立ち上げました」と金森氏は説明する。ツールとしては主にMathWorksのMATLAB/Simulinkを使い、制御システム開発のシミュレーションを特意分野としている。

最近ではMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)を支える自動運転・運転支援技術として、レーダーセンサーの制御システム開発にもシミュレーションは重要な存在となっている。

膨大な時間を要する制御システムのシミュレーション

このような制御システム開発におけるシミュレーションの課題の1つは処理時間の長さだ。金森氏は、「シミュレーションで扱うのはミリ秒、マイクロ秒、あるいはナノ秒といった極めて短い時間で完結する自動車の複雑な制御です。そのため、実際のわずか数秒の挙動を再現しようとしても計算を細かく刻む必要があり、大規模かつ高精度なシミュレーションでは、そのステップ数が膨大になるため、結果的に何時間もの計算時間が必要になってしまいます」と説明する。

さらに自動車の場合、制御は数秒では終わらない。長距離の移動中に実施する制御をすべて対象にすると、数日レベルの時間を要してしまう。「そのため、開発をスピーディに終わらせるには、高速なシミュレーション環境が不可欠です。これによって製品開発全体の速度向上が可能になり、開発サイクルを早く回せるようになります」と金森氏は語る。

このほか、組み込みや制御系システムのアルゴリズム検証では、問題はさらに深刻になる。金森氏は、「シミュレーションで実際の事象を再現し、アルゴリズムの全パターンをテストして問題ないかを確かめるにあたり、すべてのパターンを検証しようとすれば1週間以上かかってしまうため、パターン数を60~70%に抑えて簡易的に行っている企業は多いです」と明かす。

高速化の需要は制御システムだけにとどまらない。「FPGAにロジックを実装するケースでも、シミュレーションに時間がかかっています。また、PythonでAIアプリケーションを開発する際の学習にも高速化の需要も高まっています」と金森氏は述べている。

MATLAB/Simulinkによる高速化の効果を実証

同社では、このような背景から高速化への思いはあったものの、一方でそのための最適解は見いだせなかったという。金森氏は「以前からCPUやメモリなどのスペックを上げることは行っていましたし、複数台のパソコンを同期させてシミュレーションも行っていましたが、抜本的な解決策ではありませんでした」と振り返る。

そうした中で出会ったのが、エクストリームーDの「Raplase」である。「RaplaseによってHPCを手軽に使えることが分かったので、シミュレーションの高速化にも応用できないかと試みました」と金森氏は語る。実際に同社は2023年にRaplaseを試験導入し、MATLAB/Simulinkの高速化の検証を進めた。クラウドサービスである利点を活かし、利用開始までのスピード感は早かったという。

「MATLAB/Simulinkはバージョンによって動作環境が変わり、当初はRaplase側で構築したLinux環境とうまくあわず動作しない問題もありましたが、エクストリームーDからの技術的なサポートによって解消することができ、検証も無事進めることができました」と金森氏は振り返る。

その後行った検証の感触として金森氏は「当初用意したモデルではRaplaseの大規模な計算資源をフルに活かせなかったという側面はありますが、それでも従来環境の約13倍は高速化することができ、速度改善への効果を実証できました」と手応えを語る。

Raplaseを基盤に新サービス「SimA」を提供開始

シミュレーションの高速化を実証できたNDRでは、同様の課題を抱えている企業に向けたサービスとして、2024年よりRaplaseを基盤としたクラウド型のシミュレーション高速化サービス「SimA」を新たに提供開始した。

「顧客からの引き合いとしては、自動車関係のシミュレーションや画像処理AIなどが多いです」と金森氏は語る。金森氏によると、解析ツールを稼働させるオンプレミス環境のHPCサーバーがよく故障するため、メンテナンスフリーの代替策としてクラウドサービスを考えている企業は少なくないという。

SimAのサービス提供方法はシンプルだ。顧客から問い合わせがあった場合、まずはSimAを試してもらい、どれだけ高速化できるかのレポートを提出する。シミュレーションは顧客側でもNDR側で行うことも可能だ。MATLAB/Simulink以外のツールにも対応しており、例えばPythonのプログラムであればPythonの実行環境をインストールし、そのアプリケーションの速度も検証できる。

現在、同社では高速化の効果を分かりやすく示すためのベンチマークテストの開発を進めている。「顧客が実際に使っているプログラムでのテスト結果は契約などの関係で利用することが難しいことが多いので、当社開発のベンチマークテストを用いて、顧客環境で動かした結果とSimAで動かした結果を比較して効果をわかりやすく伝えられる体制を準備しています」と金森氏は語る。

日本の製造業の競争力向上を目指す

SimAの展開戦略について金森氏は、「得意な業界は自動車業界ですが、SimAは業界を絞らずにさまざまな企業に向けて展開していきたいと考えています。もちろん、組み込み系の開発をずっと手掛けてきた強みがあるので、まずは同分野での開発の高速化を支援したいです」と展望を語る。

その背景として金森氏は、「日本は製造業の競争力が低下していると言われるので、微力ながらでもそうした現状を変えていきたい。このSimAによって日々の業務効率を上げてもらえればと考えています」と強い思いを語る。

SimAに関連したサービス展開としては、将来的には開発環境とのシームレスな連携も視野に入れている。「開発環境とシミュレーション環境は別ですが、これらをつなぎ、シミュレーションの速度が遅い問題をSimAで解決し、シミュレーション結果を素早くプログラム開発へとフィードバックする支援ができればと考えています」と金森氏は語る。日本の製造業の未来を変えるための一助としてNDRの取り組みは今後も続いていく。

エヌ・ディ・アール株式会社

1984年設立。組み込み系開発で40年以上の実績を誇る。インドとタイに子会社を持ち、グローバル展開を推進。自動車、医療機器、社会インフラなど多様な分野で組み込みシステム開発を手がける。2015年にCAEソリューション部を立ち上げ、制御システムのシミュレーション技術も近年強化している。

株式会社エヌ・ディ・アール
CAEソリューション部 部長

金森 好樹 氏

金森 好樹 氏
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